ピストバイク＝違法な自転車
そんな誤解が巷にあふれています。
実はピストバイク自体が違法な自転車なのではなく、ピストバイクに限らず「ブレーキ無し」の自転車が違法なのです。
それではなぜピストバイクが違法な自転車というイメージが付いてしまったのか。
ピストバイクの起源に遡って解説します。
ピストバイクは元々はトラックレース用の自転車
ピストバイクは元々はトラックレース用の自転車でした。
シングルスピードと呼ばれる単一ギアのため走行中にギアチェンジが不要で、さらにブレーキも無いので極限まで無駄を削ぎ落として早く走ることのみを追求した自転車がトラックレース用のピストバイクです。
ブレーキが無いのはレース中にブレーキをしてしまうと後続車とぶつかり事故が起きてしまうためでもありました。
ピストバイクがストリートカルチャーで大流行
ギアチェンジが不要でトラブルが少なく、メンテナンスにも手間がかからないため、ピストバイクは1970年代後半から、ニューヨークのメッセンジャー達の間で大流行しました。
するとまたたく間にストリートカルチャーでも「おしゃれな乗り物」としてピストバイクが注目されるようになりました。
装備品が少ないピストバイクは価格も抑えられるため、庶民でも手が届きやすかったという背景もあるようです。
無鉄砲ピストバイクが主役のピストバイク映画とは
ピストバイクのハチャメチャさがよく分かるピストバイクをご紹介します。
ピストバイクに興味を持った方にはぜひ一度ご覧いただきたい。
その映画は2012年に公開されたピスト映画「プレミアムラッシュ」です。
ニューヨークの街をバイクメッセンジャーが超速で駆け抜けるサスペンスアクション
ストーリー
人と車がひしめき合うニューヨーク。バイクメッセンジャーのワイリーは持ち前の自転車テクニックで街を疾走していた。ある日、知り合いの中国人女性・ニマから1通の封筒を託される。だが、これをきっかけにとんでもない事件に巻き込まれることに。
見どころ
監督・脚本はデヴィッド・コープ、主演はジョセフ・ゴードン＝レヴィット。ノンブレーキのピストバイクでニューヨークを疾走する自転車アクションはスリルも爽快感も抜群。
主人公の愛車のピストバイクは、Affinity Cycles（アフィニティサイクル）のMetropolitan（メトロポリタン）。
頑丈なクロモリフレームなので、多少雑に扱ってもびくともしない頑丈さ。
まるで自分の手足になったような自転車との一体感と爽快感。
映画ではとてもスリリングなピストバイクのライドを楽しめます（絶対に真似しちゃ駄目）。
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ブレーキ無しのピストバイクによる事故が多発し社会問題に発展
2010年2月、東京都内で60代の女性がノーブレーキピストにはねられ、約1週間後に亡くなるという事件が発生し、取り締まりが強化されました。
ノーブレーキピストの安全性は世界的にも問題視されています。
道路交通法によりブレーキの装備が義務付けられる
2013年7月1日、東京都は自転車安全条例を制定し、その第23条において「自転車小売業者は、自転車の利用が道路交通法その他の自転車の交通又は安全性に関する法令の規定に違反することとなることを知って自転車を販売してはならない。」と定義し、事実上それまでは野放しだったノーブレーキピストとして利用される自転車の都内での販売を、明確に禁止した
2013年7月1日、東京都は「自転車安全条例」を制定し、第23条で「自転車小売業者は、自転車の利用が道路交通法その他の自転車の交通又は安全性に関する法令の規定に違反することとなることを知って自転車を販売してはならない。」と定義しました。
事実上それまでは野放しだったノーブレーキピストとして利用される自転車の都内での販売を、明確に禁止しています。
タレントのチュートリアル福田充徳さんが、後輪にブレーキ装置のないピストバイクで公道を走っているところを摘発されていた事もありました。
ブレーキ無しによる道路交通法違反の内容とは
ブレーキ無しによる道路交通法違反の内容とはどのようなものなのでしょうか。
（自転車の制動装置等）
第六十三条の九 自転車の運転者は、内閣府令で定める基準に適合する制動装置を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車を運転してはならない。
２ （略）
（罰則 第一項については第百二十条第一項第八号の二、同条第二項）
［５万円以下の罰金］
道路交通法施行規則
（制動装置）
第九条の三 法第六十三条の九第一項の内閣府令で定める基準は、次の各号に掲げるとおりとする。
一 前車輪及び後車輪を制動すること。
二 乾燥した平たんな舗装路面において、制動初速度が十キロメートル毎時のとき、制動装置の操作を開始した場所から三メートル以内の距離で円滑に自転車を停止させる性能を有すること。
ブレーキ無しの自転車で事故を起こした場合、ブレーキありのときと比べて思い処罰が待っています。
日本で購入できるピストバイクは必ずブレーキ装備付き
日本で購入できるピストバイクは必ずブレーキ装備が付いています。
前述の「自転車安全条例」第23条によって自転車販売店側にブレーキ無しでの自転車販売が禁止されているからです。
もちろん自分で改造してブレーキを外すこともできます。
その状態で公道を走ったら、即道路交通法違反となりますので、必ずブレーキは付けて走行しましょう。
初心者におすすめピストバイクとは
最後に初心者におすすめのピストバイクをご紹介します。
いきなり初心者が20万円もするピストバイクにはなかなか手が出しづらいですよね。
そのため、初心者の方には5万円前後で購入できる、比較的安価な入門用ピストバイクをおすすめします。
bruant(ブリュアン)
複数のメーカーと共同で開発されたクロモリ製ピストバイク、シングルギアの bruant(ブリュアン) です。
「走る・曲がる・止まる」を重視して製作されたストリート仕様のバイクです。
構想・試作から完成までに1年以上を要した自信作です。
試作して乗車し微調整、また試作しては乗車・・・を何度も繰り返してようやく完成致しました。
- カーボンほどではありませんが、かなりの軽量化（10.7kg）を実現しています。スチールバイクから乗り換えると、ペダルの軽さに驚かされます。
- アルミリムとステンレススポークで錆びにくい。-フリーギアと固定ギアを選択できるWコグ仕様。用途や気分に合わせて、リアタイヤをひっくり返すだけで切り替えることができます。
※固定ギアは下り坂やカーブでは常に漕ぎっぱなしなので、慣れが必要です。 - サドルやグリップには、日本のシンコー製タイヤやVELOなどの高級パーツを採用。見た目だけでなく、長時間乗っていても疲れない構造になっています。
- ライディングポジションがとても楽です。普段はハンドルステムを上に向け、軽い前傾姿勢をとっています。
- VELOのサドルは適度な硬さがあり、非常に疲れにくいです。
- シングルギアなので、ペダルからの力がダイレクトにタイヤに伝わります。往復40kmの通勤でも問題なし。
- カスタマイズのしやすさを考慮して、無駄な装飾を省き、リーズナブルな価格に設定しました。
PISTO
幅広いステージで活躍する、スマートなスポーツスタイルのボディ。
軽量でしなやかなクロモリ素材は長時間のライディングでも疲れにくく、タウンユース向けの「フラットロードフレーム」を新設計した。快適性を重視したジオメトリは、ロードライダーも納得する走行性と、ビギナーにも優しい素直なハンドリングを両立した。フロントギアを敢えてシングルにしたスリムなリアセンターは、俊敏な加速性能に貢献。ロード系のタイヤ(700×25C)、スポーティなサドルを採用しているため、中距離のツーリングにも対応。ハンドルの角度を自由に調整できるため、リラックスな乗車ができ、ちょっとした街乗りでも重宝する。
CARTELBIKES AVENUE
CARTELBIKES AVENUEはトップチューブのホリゾンタルを特徴としたピストバイク完成車です。
フルクロモリでストリートに特化したエントリーモデルでクロモリ特有のしなやかな乗り心地は、初めてのピストバイクにぴったり。
飽きのこないシンプルなデザインが好評のロングセラーモデル。長く乗っていただける1台となるでしょう。
他社ブランドとの互換性もあってカスタムバイクのベースとしても最適、自分だけのオリジナルバイクにカスタムすることも可能です。
店頭にて整備済みのブレーキ、ペダルもセットになっており商品到着後すぐに乗っていただけます。
リアホイールには固定ギアとフリーギアの両方がセットされており、納車時にはどちらか選んでいただきます。
納車後自分で変更も可能です。
まとめ
ピストバイクが違法と呼ばれる理由と誤解についてご説明しました。
声を大にして言いたいのは、
ピストバイク自体が違法なのではない。ブレーキの無い自転車が違法なのだ。
ということです。
- ブレーキの無いママチャリ
- ブレーキの無いマウンテンバイク
- ブレーキの無いロードバイク
- ブレーキの無いクロスバイク
- ブレーキの無いシクロクロス
- ブレーキの無いBMX
- ブレーキの無いミニベロ
これらすべて違法な自転車です。
- ブレーキのあるピストバイク
こちらは完全に合法な自転車です。
いまだに「ピストバイク＝ノーブレーキ」という世間のイメージが強くて、ピストバイク乗りは肩身が狭いのですが、ブレーキのあるピストバイクは合法である、ということも広まって欲しいですね。
